2008年05月05日

「LEGEND」参加

昨日は学生さんたちが作り上げた関西最大のエンターテインメントイベント「LEGEND」に行ってきました。なんばHatchを中心とした湊町リバープレイス一体をイベント一色に染め上げていました。

ミスコン・ミュージック・アート・コメディ・バスケ・ファッション・ダンスとあらゆる企画が内で外で繰り広げられていて、晴天にも恵まれて色鮮やかな空間ができ上がっています。

外では3on3のバスケはガチンコ勝負で終了間際のカウントダウンは緊迫と大歓声、ライブペインティングはかなり大型のものがあちことに、屋台が出ていてフードも充実、フリーマーケットがあったと思ったら、ヘアーメイクライブショーにストリートダンスバトルもたくさんの観衆が。

中ではタイムスケジュールもがっちりと運営されています。なんばHatchの音質は最高で、照明も映像も凝っています。この舞台は全てを化けさせる巨大な力があるのだと思います。お笑いではシャンプーハットやアジアンと学生コンビが同じ舞台に、ミュージックでも厳しい予選を勝ち抜いたアマチュアバンドがプロと同じ舞台に、ダンスもプロと同じ舞台に。プロとプロを目指す学生の共演です。ファッションショーもプロ顔負けの懲りっぷりです。あの舞台に立つだけで考えられない興奮があるのだと思います。学生のクオリティの高さにかなり感動しました。

フィナーレはミスコン。実は数週間前の彼女たちを一部知っていたのですが、その変貌振りにびっくりしました。人前に立つのも緊張していた彼女たちがメイクも衣装もバッチシに堂々とパフォーマンスを繰り広げています。人は機会を掴むことで変われるんだと確信させてくれました。

スタッフは終わってからも死にそうな顔をしながらも必死で片づけをしていました。楽しむ側はそのときだけしか知りません。ですが、彼らは朝からそして終わってからも1日中その楽しむ側を支えていたのです。なによりもこの日までの長い道のりがあります。そして終わりではありません。これからも彼らは動くことでしょう。
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2008年05月03日

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

アメリカ版大河ドラマ。

壮大な歴史小説(時代小説・伝記など)を映画の尺に納めようとしたら、あれもこれもで結局背景だけ壮大な、うすっぺらな表面しか表現できなかったという典型的な原作小説ありきな映画。時代背景が奥深い、役者は一代を演じる中で分厚い演技を全うしているにもかかわらず、何もない映画に貶められています。

1900年代初頭の石油に一攫千金を夢見るアメリカ市民。その中で強靭に生き抜き成功を収めた一人の男の、得たものがあるぶんだけ失ったものも大きいという一代記。得れば得るほど不信と孤独を獲得するというもの。

それにしても主演のダニエル・デイ=ルイスの齢を重ねていく演技と壮大なセットは良い。飛び交うお金の話が現代価値でどれくらいかわからなくてリアリティは欠けたものの、それを補うだけのリアリティがそこにありました。

残念だったのは、無駄なシーンの多さと無駄なカットの多さ。結局全部撮ってみて、どれも捨てる勇気がないから無駄に長くなってしまいました、といった印象。ワンカットだけ見れば奥深く、終わってみれば薄っぺらかったようです。

■作品概要
題名/「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(原題:THERE WILL BE BLOOD)」
2007年/ アメリカ/ウォルトディズニースタジオ モーションピクチャーズジャパン
監督・製作・脚本/ポール・トーマス・アンダーソン
原作/アプトン・シンクレア
出演/ダニエル・デイ=ルイス ディロン・フレイジャー ポール・ダノ ケビン・J・オコナー キアラン・ハインズ
会場/京都シネマ
一攫千金を夢見るダニエル・プレインヴューは、幼い1人息子を連れて石油の採掘を行っていた。ある青年から、「故郷の広大な土地に石油が眠っている」と聞いた彼は、パートーナーのフレッチャーと共に米西部の小さな町、リトル・ボストンに赴き、安い土地を買占め、油井を掘り当てる。しかし、油井やぐらが火事になり、幼い息子は聴力を失う。精神に混乱を来した息子を、プレインビューは彼方の土地へ追いやってしまう。(goo 映画)
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2008年04月28日

ユリイカ百貨店 8th Stage「Chocolate Horse」

劇団初見、予備知識ほんの少し。幸せな時間、演劇の時間。そこには演劇でしかできないことがあり、たしかにチョコレートの味がしました。

作家は日本人、台詞もほとんどが日本語、それでも宛書ではないかと思われるくらい登場人物が全くもって様々な方向に散って確立していて、とても多国籍なお芝居になっていました。役者たちの表現方法も個性的かつ全然違っていて楽しめました。

作品はシンプルなファンタジー。辻褄はしっかりできていて伏線もしっかりできていて、ほんのちょっとのカカオが素敵な異次元へと運んでくれます。舞台はシンプルで転換も少ない。それでも時間も空間も一瞬で飛んでいき、演劇的喜びに溢れています。

泥棒・肉屋・妖精・・・もはや名前はいらない。人々は空を見上げ憧れ、毎日地面を歩きました。走り続けました。彼らは確かにそこにいました。

ストーリーといい、全編を流れる雰囲気といい、登場人物たちの個性といい、チョコレートは実においしい。

■公演概要
ユリイカ百貨店 8th Stage「Chocolate Horse(チョコレート・ホース)」
作・演出/たみお
出演/尾崎しのぶ 駒田大輔 ダニー・ドニー・クラーク 
   田中遊 (正直者の会)  友井田亮 
   山口吉右衛門 (劇団飛び道具) リンゼィ・エリン・ジュニュ
会場/アトリエ劇研
日時/2008年4月28日(月)19:30開演
料金/2,800円
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2008年04月27日

「モンゴル」

映画らしい映像。ただそれだけ。古い映画を観たような時間。

海外で評価されるとすればその神秘性でしょうが、日本人から見れば何も新しいものはなく、史実もあるのでストーリーも読めてしまい、驚くほどに見たことのあるものが繰り返される印象です。

映像と音は基本に忠実で、緊張感や映画館の喜びは味わえます。きっといい映画監督なのだと思います。ただあまりにも基本に忠実で何も感じません。

最後に対峙する盟友二人は確かにかっこいい。ただそれだけ。

ストーリーも台詞も映像も音も構成も・・・何を考えても見たことのある基本路線。最近のドラマの焼き増しのような映画に比べれば、映画としての意義とこだわりは感じられます。これは映画です。ただ新鮮な喜びがないだけです。

■作品概要
題名/「モンゴル(原題:MONGOL)」
2007年/ドイツ=カザフスタン=ロシア=モンゴル/ティ・ジョイ 東映
監督・脚本/セルゲイ・ボドロフ
出演/浅野忠信 スン・ホンレイ アマデュ・ママダコフ クーラン・チュラン
会場/MOVIX京都
12世紀、部族間の争いが絶えないモンゴルで、小部族を率いるイェスゲイの息子テムジンは9歳にして未来の花嫁ボルテと将来を約束する。が、その矢先、他部族に父を毒殺されてしまう。後ろ盾を失い、かつての父の部下にも裏切られ逃亡生活を余儀なくされるが、少年ジャムカに救われ2人は兄弟の誓いを立てる。やがて成人したテムジンはボルテを妻に迎えるが、喜びも束の間、仇敵メルキト族に略奪されてしまう。(goo 映画)
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2008年04月20日

「ザンジバルナイト in 野音」

終了時間20時30分。総時間約5時間30分。開演予定の15時10分前にはMCも務めるゾノネムさんが飛び出してきて異次元ラップを開始。アドリブありながらタイムスケジュールを驚くほど忠実に守って展開する仕切りに感心しました。久々にメリハリのある野外公演です。

なにかとゲッツな夜。どれに肩入れするわけでもなく、音楽祭でもなく、雨が降らないことに感謝しながら季節と一日と天気と音楽と一緒に過ごすこと。ザンジバルナイトを味わうのであって、日比谷野外音楽堂を味わうのであって。

一言ずつ。

ゾノネム
まるで歌詞カードを読むようなラップ。だけど愛される。
9miles
うまくはない。
ウクレレえいじ
うまくセットチェンジをつないでくれる。インパクト大、でも長い・・・。
ままどおるズ
箭内道彦(風とロック)&サンボマスター山口隆。グダグダMCでどういう路線かと思ったら、歌は素晴らしきフォークロック。心に響く。
浜野謙太(SAKEROCK)
押し語り。その単語を覚えた。強い。きっと可愛いと呼ばれる。
星野源(SAKEROCK)
優しさだけでそれだけで十分。それを教えてくれる人。
中納良恵(EGO-WRAPPIN')
凄すぎる。凄まじすぎる声。グサグサ来る。星野さんとのスーダラ節は今日だけの奇跡。
ハナレグミ
いつからこんな人気に・・・。驚くべき盛り上がり。ハーブとタップとギターだけで気持ちいい。
SLY MONGOOSE
力ないけど丁寧。時間帯にはマッチしたインスト。
TOKYO MOOD PUNKS
松下さんはどこに行っても一緒で、チャーベ君が驚くほど輝いていた。リリーさんのゆるさはないのでファンにはどうなんだろう。私にはこれがいい。
みうらじゅん
素直に素直にただ歌って去っていく。この人は変わらない。
TOKYO No.1 SOUL SET
BIKKEさんの驚くべき若さ。ジャンルで分けられない独特の音楽。日が落ちて照明が別の世界を作る。
峯田和伸(銀杏BOYZ)
金髪峯田君ギター一本。一部のコアファンの動きに驚くも、やっぱり伝える力は抜群。何を歌うかではなく誰が歌うか。峯田和伸&みうらじゅん&山口隆はお祭り。
スチャダラパー
ただそれだけで満足。踊りまくって歌いまくって走り回って、会場全体を一つにできる人たち。

■公演内容
「ザンジバルナイト in 野音 ZANZIBAR NIGHT」
出演/TOKYO MOOD PUNKS スチャダラパー TOKYO No.1 SOUL SET
SLY MONGOOSE 峯田和伸(銀杏BOYZ)
    9miles ゾノネム ロボ宙 みうらじゅん ハナレグミ(永積タカシ)
    ままどおるズ(箭内道彦〈風とロック〉×山口隆〈サンボマスター〉)
    中納良恵(EGO-WRAPPIN) 星野源 浜野謙太(SAKEROCK)
会場/日比谷野外大音楽堂
日時/2008年4月20日(日)14:50開演
料金/4,000円
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2008年04月18日

「着座するコブ」

とても居心地の悪いお芝居。登場人物の緊張感と居心地の悪さ、関係性のうす気味悪さが伝染して、観ている側まで居心地の悪さに心がどんどん落ち着かなくなっていく感じでした。これはとてもいい意味です。

残像を追いかけ、待ち続け、振り回される人々。信じる強さと信じるしかない弱さが入り混じる切なさ。そんな人々の関係性は、どこかにコンプレックスや弱みを介していて、結局は残像のような関係性でしかありません。ないものを介することで関係性を誤魔化し、ないものを信じることで自分を保ち、ないものを追い求めて自分を失う。そこには、ほんの一瞬のバランスの乱れで崩壊してしまうような不安定間しか横たわっていませんでした。

ホンが良くできていると思います。会話劇だけで登場人物たちが背負っている業が炙り出されていきます。最後まで強さと弱さの不安定性がゆらゆらと流れ続けていきます。残念だったのは役者陣。台詞が沁みこんでいないのか、噛む場面も多く勝負どころでワンテンポ乱れます。そのせいもあってか演出も単調です。もっと掘り下げれば、もっともっと居心地が悪くなる芝居だと思います。

それにしても、見たことのある役者さんがたくさん客席にいて、このへんが京都だな、芸術センターだなと一人で勝手に納得したのでした。

■公演概要
リージョナルシアター・シリーズ 創作・育成プログラム「着座するコブ」
作・演出/山岡徳貴子
出演/杉村文雄 野中隆光 三村聡 鈴木陽代 田中夢 武田暁
会場/京都芸術センター フリースペース
日時/2008年4月18日(金)19:30開演
料金/2,500円
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2008年04月12日

THE CORNELIUS GROUP「ULTIMATE SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW」

オープニングからエンディングまで途絶えることのない刺激的な光と映像と音の洪水。この日は大嵐だった・・・。

スクリーンを使ったオープニングは何度見ても秀逸。観客みんなの期待感とフラッシュライトによる脳内麻痺が高められていく、その感覚が異次元に一気に運んでくれます。

そこからは怒涛の光線と音水。ホールであるが故に着座しているので、体が思うように動かせず、スタンディングのとき以上に視覚と聴覚だけが研ぎ澄まされ、刺激に耐えられないほどクラクラします。

計算しつくされ緻密にデジタルにくみ上げられたようなCDアルバムが、4人の生身の人間によりアナログに重なり合うように溶け込むように再現され再生され覚醒される、まさしくショーでした。コーネリアスグループ、4人にしかできないことがそこにありました。

もう一つの楽しみはグッズ。敬愛するtonetwilight江森さんが関わっていることから席付おまけチラシもツアーパンフレットもとても楽しみにしていたのですが、その贅沢な遊び心に大満足。チラシのコメントは嘘八百含めて最高だし、パンフのデザインも遊びもそしてインタビューの深さも最高。下手すりゃチケット代より高くなるのではないかと心配したりもしましたが、4500円、それ以上の価値があります。

■公演内容
THE CORNELIUS GROUP「SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW」
会場/大阪国際会議場メインホール
日時/2008年4月12日(土)18:00開演
料金/6,000円
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2008年04月05日

悪い芝居vol.6「なんじ」

劇団初見、予備知識なし。エネルギー溢れる若さと妄想による断片が一気に流れてくる構成に演劇的目眩を感じた将来が楽しみな劇団。

お話としては「ほんとそんな生きにくいのか、この世の中!」と全身ビリビリ来て、切なくなってしまいました。集団心理が全編に渦巻いていて、集団心理の恐ろしさと安心感と、そのなんともいえない気色の悪さがドロドロしています。笑いを混ぜられてもその居心地の悪さがドロドロしています。宗教・集団・個性・嫉妬・イジメ・思い出・自己・・・妄想の断片で無茶苦茶のはずなのに気持ち悪いくらい今に正直でリアルです。

演出は、現実のエピソードに妄想が絡まりつく断片が、気持ちのいい場面転換手法を経て縦横無尽につながれていきます。無秩序でエネルギーがあって目眩がしてきます。それは演劇的気持ちの良い目眩です。音楽のセレクトもとてもいい。もうワンテンポ全てのスピード感が上れば本当にクラクラしてしまいそうで、是非ともそう成長することを期待したい。

演技は下手くそです。それでもそれぞれのメンバーが全く違う肉体と声質を持っていて、特に男優陣はどんな風な役者に育っていくのかとても楽しみです。

アフタートーク。アドリブがないのは予想通りでしたが、妄想の断片とエチュードを巧みにつなぎ合わせる作風かと思いきや、前から書いていくということを聞いてますますこの作家に興味を持ちました。山崎さんと藤代さんが登場したのですが、二人とも舞台上とは全く違って驚くほど話が下手くそで、そんなところにも演劇の醍醐味を感じました。

■公演概要
悪い芝居vol.6「なんじ」
作・演出/山崎彬
出演/吉川莉早 三國ゲナン 四宮章吾 大川原瑞穂 藤代敬弘 植田順平
   梅田眞千子 森本児太郎 山崎彬
会場/精華小劇場
日時/2008年4月5日(土)14:00開演
料金/2,000円
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2008年04月02日

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団「フルムーン」

水辺で行われる人間の営み。それはやがて水と混じりあい、光と融和し、全てに溶け込んでいく。そんな幻想を魅せてくれた舞踊。水も人も美しい。

以下は私が勝手に思い込んだものです。

隕石のような巨大な岩と川のような本物の水。舞台にはその二つしかありません。そこにダンサーが順に登場しては入り混じり、身体表現でストーリーを紡ぎだします。水との関わりの中で人間の営みが表出してきます。それは、争い・孤独・友情・恋愛・宴・・・と次から次へと重なり合い、喜怒哀楽と流れていきます。

オープニングが秀逸で、小さな生音から始まり観衆の耳を澄まさせます。そこから一気にダンスの世界へと引き込み、凝視し続ける環境が身体を支配します。第2幕前半は中途半端な笑いであり言語に頼ったものであり拍子抜けしたのですが、それもそこからの圧倒的な哀しみと水との融合による最後の楽しさとカタルシスを引き立てるもののようにも思えました。第2幕後半はただただ引き込まれて圧巻です。

ダンサーの個性がそのまま現れているのが素晴らしかったです。背の低い人、手足の長い人、長く黒いしなやかな髪、横への動き、筋骨隆々・・・、それぞれがそれぞれの身体的特徴をそのまま表現へと直結させています。それぞれのダンスはしっかりと異なる特徴を持っていて身体表現の力強さと美しさを持ちつつ、同じものに向かっている、それが美しさの根源であったように思います。

■公演概要
ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団「フルムーン」
演出・振付/ピナ・バウシュ
会場/びわ湖ホール大ホール
日時/2008年4月2日(水)19:00開演
料金/13,000円
posted by 奥田圭太 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月22日

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

私にはラブストーリーとは思えませんでした。そこには中毒・依存症が突き出している人間という存在がいて、人は結局他人に自分を映し出し、他人に生かされているという切なくも真っ直ぐな事実。そんな残像のための映画。

前半のフランス映画を意識したような会話劇とウォン・カーウァイ監督お得意の様々なカメラワークは好きな人には好きでしょうが、そうでない人には余談で眠たくなるかもしれません。

しかし、話は主人公(私には道先案内人・語り部に思えましたが・・・)が旅に出るところから共感できるものが一気に溢れてきます。心に残像を持ち、何かに依存している人々が次から次へと現れ、なんとか他者と和解することで自分を生かそうとします。扉が映像的にキーとして使われているのですが、それらは全て登場人物たちの背負う残像のようです。そう思うと扉1枚1枚に何故か涙が溢れました。

カメラアングルは遊び心満載。オレンジがかった映像や極端なぼかしはさほど好みではありませんが、全体的に古びた感じや浮遊感を出すには効果的です。ラブストーリーとしてはいまいち。ですが、人間模様だと思えば、共感できます。

■作品概要
題名/「マイ・ブルーベリー・ナイツ(原題:MY BLUEBERRY NIGHTS)」
2007年/フランス=香港/アスミック・エースエンタテインメント
監督・製作・原案・脚本/ウォン・カーウァイ
出演/ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ デイヴィッド・ストラザーン 
   レイチェル・ワイズ ナタリー・ポートマン
会場/MOVIX京都
恋人に捨てられたエリザベスは彼のことが忘れられず、彼の行きつけのカフェに乗り込む。そんな彼女を慰めてくれたのは、カフェのオーナー・ジェレミーと、甘酸っぱいブルーベリー・パイ。それからのエリザベスは、夜更けにジェレミーと売れ残りのパイをつつくのが日課になる。しかしそんなある日、彼女は突然ニューヨークから姿を消す。恋人への思いを断ち切れずにいたエリザベスは、あてのない旅へとひとり旅立ったのだった…。
posted by 奥田圭太 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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