世の中には「ヘッドハンティング」という言葉があります。辞書によると「優秀な人財を引き抜く」といったようなことが書いてあると思うのですが、ここで指す「優秀」とは何なのでしょうか。
ここには3つのパターンがあると考えています。
まず本来の意味である(1)極めて実力がありどうしてもその人財を手に入れたい、というものです。ですがそんな人間は誰もが必要とするはずであり、あるいは自力で何かを成し遂げるはずであり、極めて手に入れることが困難です。これが主流であればヘッドハンティングマーケットは極めて小さなマーケットであり、極めて困難なマーケットだと言えます。
そこで一般的なのが(2)費用対効果でその人財にメリットを感じる、というものです。これはいわゆる転職市場の基本です。教育費用を考えれば中途人財にメリットを感じ、基本知識が身についている同業他社の人間や特定分野の経験者を優遇する。採用費用を一定設けることができないので接点のある人間に声をかけて低コストでの確実な採用を優先する。ここでは、(1)のようにその人間を個として評価しているのではなく、集合体として一定の評価を与え天秤にかけていることになります。あなたが欲しいのではなく、あなたのような人たちが欲しいのです。
そして、される側は認めたがらないのですが、実は一番効果的かつ多いものとして考えられるのが(3)その人財が保有するマーケットを手に入れたい、というものです。あなたが欲しいのではなく、あなたのお客さんが欲しいのです。
ある企業の方から「君が今仲良くしているお客さんを回れば、2000万円くらいの年収はいけるよ」とヘッドハンティングされたことがあります。それは誠に真を得ていると思います。企業にとって顧客の開拓は最も重要かつ困難なものです。それを企業で自分の担当先として有していた人間、もっと簡単に言うと営業経験がある人間はある程度の顧客との面識・名刺リストなどを有しています。それは営業活動の基礎中の基礎になるものであり、そのつながりとリストを新規で作るとなれば相当に時間とコストを要します。ですが、その人間がいればその時間とコストを一気に省略できてしまうのです。
個の実力というのは計り知ることが難しいものです。ですが、その有するマーケットははっきりと計算することができます。その確実に手に入るものを評価するのも当然です。それが手に入れたいマーケットならばなおのことです。
「あなたが欲しい」とは非常に奥が深い言葉です。そこには決して偽りはないのですが、そこではあなたの何が欲しいのかは語られません。
ヘッドハンティングを受けて自分の実力があると勘違いする人も少なくありませんが、自分の何を見られているのかをもう一度見直す必要があります。(2)(3)の場合も自分の実力で手に入れたものだと反論する人も少なくないでしょうが、その多くは自分の実力ではなく自分が所属するところのおかげであることを見失ってはいけません。
「あなたが欲しい」という言葉は人の心を惑わします。そんなときこそ一歩引いて自分の実力を見つめなおすときです。
2008年05月15日
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意味深に感じるのは私側ではなくあなた側なのでしょう(笑)
別に意味はなく、いろいろ聞いた話をmixしてみました。