2007年06月24日

「輝ける女たち」

誤解を招くのも承知のうえで言うなれば、フランス映画らしいフランス映画。身勝手だが愛すべき登場人物たちの複雑な関係を、素敵な台詞で彩りながら人生を慈しみつつ、新しい家族の価値観を提示しようとした作品。

登場人物たちは家族のような家族でないような関係。楔となっていた人物の死により強制的に集められ、その関係性を見つめなおし再構成していきます。たくさんの過去や秘密の表出、それらを赦す時間と空間の流れ、それらを繊細に繊細に紡ぎなおしていきます。

そんな複雑なものを支えるのがフランス映画界の名優の競演です。全ての登場人物に複雑さを受け入れる大きさがあります。全ての登場人物が迷走を繰り広げていても説得力があります。そして、理屈ではなく、人間そのものの力で「家族」と「赦し」をあぶり出していきます。いろんなことがあったし、今もある。それでも今愛していることだけは確か。だから愛そう、そして赦そう。その気持ちがまた人を動かしていく。

内容の単純理解は困難です。それぞれの登場人物が非常に癖があり、誰かに感情移入してもそれはまた引き剥がされてしまいます。それでも全編通じて流れる、なんともいわれぬものにただただ温かさだけを感じました。

■作品概要
題名/「輝ける女たち(原題:Le Heros de La Famille」
2006年/フランス/ムービーアイ エンタテインメント
監督/ティエリー・クリファ
出演/ジェラール・ランヴァン カトリーヌ・ドヌーヴ エマニュエル・ベアール 
    ミュウミュウ ジェラルディン・ペラス
会場/京都シネマ
南仏ニースのキャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエルが急逝し、離れ離れに暮らす家族が久々に顔を合わせる。遺言により店は、かつて一世を風靡した人気マジシャンで息子同然に育てられたニッキーを飛び越え、その子どもであるニノとマリアンヌの異母兄妹に譲られることになる。子どもたちとも元妻たちともしっくりいかず、遺産相続からもはじかれたニッキーの寂しい心は美しい歌姫レアに向かうのだが…。
posted by 奥田圭太 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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