2007年02月22日

劇団☆新感線INOUEKABUKI「朧の森に棲む鬼」

言葉のからくりが奥深く練りこまれていて、演出も豪華で、初めて接する世界であれば驚嘆するに違いない作品。一方で新感線慣れというようなものを感じる自分のことを少しもったいなく思った作品。

シェイクスピア作品を下敷きにして内容としてよく作りこまれているホンでした。中島かずきさんの世界観変わらないままに言葉とストーリーのからくりをシェイクスピアのように追求していて非常に良くできていると感心をさせられます。

一方で新感線慣れというか、ついつい読めてしまう演出展開、戦いへのいつもの流れに飽きが来てしまっている自分にも気づきました。定型美やお約束と考えれば楽しめるのでしょうが、作品が新しくなってもいつも通りの演出に頭がぐわんぐわんするような喜びは感じられません。新たな出逢いに驚愕したり、喜べたりしないのです。舞台美術も素晴らしいのに、殺陣も凄まじいのに、ただ豪華になっていっているだけで何も変わらないというか。初めての人であれば(新鮮に楽しむことができれば)ぶったまげるほど面白いであろうに。

役者さんにしても素晴らしい人揃い。特に今回は古田新太さんが久々と言っては失礼ですがとても受ける格好いい役回り。この人を観るだけでも大満足できると思います。染五郎さんも歌舞伎としてのこだわりと立ち居振る舞いがそこかしこに融合していて最高の役を得たような活き活きさ。阿部サダヲさんはバリエーション豊富であらゆる角度を楽しめます。その他の役者さんも「さすが」というしかない素晴らしい演技。だからこそ、定型の演出と人数が増えたために各キャラクターが薄くなったのが忍ばれます。

ホンはとてもよくできています。しかし、それは主役三人(染五郎・阿部サダヲ・古田新太)と言葉のからくりのため。その他の役の薄さを嘆いたり豪華演出に慣れてしまっていては最後に「いつも通り」という感想が残ってしまいました。それだけ期待しているということでしょうが。

■公演内容
oboro.jpg
劇団☆新感線 INOUEKABUKI「朧の森に棲む鬼」
作/中島かずき
演出/いのうえひでのり
出演/市川染五郎 阿部サダヲ 秋山菜津子 真木よう子 高田聖子
    粟根まこと 小須田康人 田山涼成 古田新太
美術/堀尾幸男
会場/松竹座
日時/2007年2月22日(木) 18:00開演
料金/一等席 12,600円
posted by 奥田圭太 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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