2007年01月27日

「マリー・アントワネット」

歴史映画としての壮大さや史実性を求めて観ては、大きな肩透かしを食らう作品。

まずは題字が出るまでのオープニング。この瞬間で好き嫌いが大きく分かれてしまうかもしれません。流れ出る時代にまったくそぐわない音の嵐です。映像についてもキュートでポップなものが溢れかえっています。キルスティン・ダンストがそのキュートでポップなものの象徴としてとても可愛らしくスクリーンいっぱいに広がります。

ただ、作品全体としてはやや詰め込みすぎでキレを欠いていたように思います。長い時間を経過する物語を、キュートでポップなものに仕上げるために尺を長くできなかったのでしょうが、それが逆にキュートでポップなものに欠かせないキレを失わせていたのではないでしょうか。

物語は、周りのしがらみによって進まなければいけない運命を定められてしまっている中で立ち続けている一人の女性の生き方です。マリーアントワネットが言ってもいない言葉(ゴシップ)に民衆が踊らされたのも事実、マリーアントワネットが国を揺り動かすほどの浪費家だったのも事実。歴史評論家の人たちからすればどちら側に立つかで賛否両論分かれそうですが、史実という視点を捨てればもう少し素直に受け止めることができるように思います。

最後は終わって欲しいところで終わったように思います。あのまま歴史的結末を映し出されても意味は何もなかったのですから。一人の女性を点と点で美しく切り取ることが監督の意図であったとするならば、とてもわかりやすいエンディングでした。

■作品概要
題名/「マリー・アントワネット(原題:Marie Antoinette)」
2006/アメリカ/東宝東和・東北新社
監督・脚本/ソフィア・コッポラ
出演/キルスティン・ダンスト ジェイソン・シュワルツ ジュディ・デイヴィス
会場/MOVIX京都
オーストリア皇女マリーは、14歳にしてフランス王太子ルイ16世の元へ嫁ぐことになった。結婚生活に胸を膨らませていたが、待ち受けていたのは、上辺だけ取り繕ったベルサイユ宮殿の人々と、愛情のない夫婦生活。ルイは必要な事以外はマリーと口もきかず、同じベッドに寝ていても、指一本触れない。愛情深く育ったマリーだったが、悪意溢れる噂に傷つき、やがて贅沢なドレスやパーティーに心の安らぎを求めるようになる。
posted by 奥田圭太 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(4) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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