2006年12月06日

阿佐ヶ谷スパイダース「イヌの日」

答えの出ない異常行為に潜むひとつの可能性を提示しようとした作品でした。

初演未見。監禁という犯罪を中心にして、それを取り巻く「異常」と言われかねない人々が愛情持って描かれていました。登場人物全員がそれぞれ答えの出ないものに自分なりの答えを出そうと、あるいはその答えを誤魔化し続けようと自問自答を繰り返している直向な姿が痛烈です。行為そのものは異常性を帯びていてもその根底にそれぞれ誰かに対する強すぎる愛情が流れていました。2時間45分一本勝負ながら長くは感じさせない濃度のある内容で満足できました。

子役(というか子供のまま育ってしまったような大人)4人の力には疑問があったものの、そこに八嶋さんが加わることで素晴らしい勢いを備えていましたし、笑いと涙を一気に巻き込んでいく力は圧巻です。八嶋さん、大堀さん、村岡さん、長塚さんで引っ張っていく中で伊達さんが賛否両論を生むであろう一人だけ浮いてしまった役を熱演していました。私個人的には今回の伊達さんはかなり良かったと思います。初演は知りませんが、今回のキャラクターは非常にわかりやすく愛すべきものでした。

全体的に濃度があって良かったです。長塚作品にしては登場人物一人ひとりがわかりやすかった感が強いので、初演のものを相当書き直したのだろう(あるいは背景をきちんと備えたのであろう)と思っています。作りこめる作家さんなのだから毎回作りこんで欲しいと長塚作品はあたりはずれが大きいと思っている私は強く願うのでした。

■公演内容
阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS 「イヌの日」
作・演出・出演/長塚圭史
出演/内田滋 剣持たまき 八嶋智人 大堀こういち 村岡希美
    玉置孝匡 松浦和香子 中山祐一朗 伊達暁 美保純 
会場/シアター・ドラマシティ
日時/2006年12月6日(水) 19:00開演
料金/5,800円


posted by 奥田圭太 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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