2008年07月17日

共犯企画「大炎上」

前回観た悪い芝居「なんじ」があまりに衝撃で、アフタートークでこの企画の話も出ていたので思わず行ってしまいました。演出の裁量が大きかったのか、感想はほとんど変わらず、これが「悪い芝居」なのかなと納得。役者の演技は下手でも、心地よい演劇的目眩が存在します。とはいえ、脚本は「尼崎ロマンポルノ」の方だったので、話は破綻なく、ストーリーはとても追いやすかったです。

ストーリーは、家族の中で軽視された母親が冗談で書き始めたブログが、現状の家族に不信感を持つたくさんの子供に盛り上げられ、冗談が本気へとつながって、引けないままに新しい家族像を作り上げるため戦争を始めるというもの。最後には祀り上げられた母親が元に戻りたいと血族のところへ帰ろうとする、家族を問うもの。

現代の犯罪の心理を作家なりに抉ろうとしたのでしょう。今の世の中で起こる犯罪はあまりに突発的でまるで冗談のよう。とすれば、そもそも発端は冗談だったのに、いつの間にやら冗談で済まなくなったものが表面化して犯罪になってしまっているのではないか。冗談のままでいいのに、何かに駆り立てられ、止めてもらえず・・・。

もうひとつは家族像です。家族像はどんどん変化しています。大家族から核家族、さらには離婚常態・子供虐待・一人暮らし、ほとんどが個体として暮らしていて家族像は揺らいでいます。だから理想の家族を掲げようという動きがどこかにある。でも、結局は血なのかな。選べないからこそ強い絆がそこにあり、家族に理想像や理由なんて要らないのではないだろうか。

冗談は冗談。何でも選べるこのご時世で、選べないものの強さ。選べない、捨てられないからこそつながるしかない。そのためにはいろいろなものを受け入れるしかない。それが成長であり、絆になる。

これは「今」のお話。尼崎ロマンポルノの作家性にも、悪い芝居の作家性にも、それをものすごく感じます。だからこそ、今観たい。

■公演概要
共犯企画「大炎上」
尼崎ロマンポルノ・男肉duSoleil・悪い芝居
脚本・出演/橋本匡(尼崎ロマンポルノ)
演出・出演/山崎彬(悪い芝居)
出演/四宮章吾 村里春奈 池浦さだ夢 松田卓三 吉川莉早 吉田みるく
    森田真和 植田順平 堀江勇気 梅田真千子 藤代敬弘 陰核
    田米克弘 平井佐智子 鈴木トオル 大川原瑞穂
会場/芸術創造館
日時/2008年7月17日(木)19:00開演
料金/2,500円
posted by 奥田圭太 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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