比較論はあまり好きではないのですが、三谷幸喜さんが宛書を得意とし出演者に何をさせるのかを考える監督であるのに対して、内田けんじさんは台詞とシチュエーションで笑いを紡ぐ人のように感じます。プロットを練りに練るのを楽しんでおられるようで、その楽しさが観客にも伝わるので、観る側も構成を読み解いていくことを楽しめます。伏線を解いていく楽しさは格別です。
POP過ぎて表面で終わります。深さを求めると損をした気分になります。人間を描くのではなく、構成とどんでん返しを楽しむのです。だからこそ登場人物は可愛い人しか出てきません。人間の泥臭さや憎悪といった裏側を描かれません。あくまでPOPであり続けます。そこまで気楽に楽しみましょう。
■作品概要
題名/「アフタースクール」
2008年/日本/クロックワークス
監督・脚本/内田けんじ
出演/大泉洋 佐々木蔵之介 堺雅人 田畑智子 常盤貴子 北見敏之
山本圭 伊武雅刀
会場/MOVIX京都
母校の中学校で教師をしている神野と、サラリーマンの木村は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻を、仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、同級生だという探偵が訪ねてくる。島崎と名乗る探偵は木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。(goo映画)