2008年03月15日

「ノーカントリー」

最初から最後まで緊張感が途切れることなくハラハラドキドキの2時間。極めて単純なクライムサスペンスとして一級品であり、背後に流れるどろりと滴る血のような現代社会が見え隠れして切ないような恐ろしいようなスッキリしない作品。

コーエン兄弟の作品は作品ごとには違うのですが、各々の作品で心拍数をコントロールするような映像のつなぎ方を感じます。映像のセレクトもそうなのですが、それよりも映像のつなぐテンポや音のリズム感です。その身体にじわじわしみこんでくるテンポがいつの間にか観客のテンポになり、最後まで引き込まれてしまいます。

この作品は、クライムサスペンスとしては、プロフェッショナルの行き詰まる攻防戦です。逃げるもモスも危機回避力は一級品ですし、追うシガーの自分のルールに従い追い詰めていく力も一級品です。二人の攻防戦だけで息を飲み、どこから何が飛び出すかわからない二人のすごさにハラハラドキドキし続けることになります。

背景には古き保安官がいて、ベトナム戦争の傷跡や銃社会や変わり逝く田舎などの現代の象徴が描かれます。そこには「生き難い」現代社会が浮き彫りにされています。それはアメリカだけでなく、日本にも通じることでしょう。古きポリシーを持った変われない保安官はもちろん、殺人鬼のシガーも自分なりのルールを作って生きていくことでしか耐えられない現代社会、そのどろっとした感じがハラハラドキドキのあとに忘れられない絡まり方として横たわり続けます。

■作品概要
題名/「ノーカントリー(原題:NO COUNTRY FOR OLD MEN)」
2007年/アメリカ/パラマウント、ショウゲート
脚本・監督/ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
原作/コーマック・マッカーシー
出演/トミー・リー・ジョーンズ ハビエル・バルデム ジョシュ・ブローリン ケリー・マクドナルド
会場/TOHOシネマズ二条
メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モスは、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモスに、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを確実に追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベルが追跡を始めるのだった。


posted by 奥田圭太 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

やはり回転がいい

連続投稿のようになっていますが(→コチラ)、やはり身体の反応がいい状態です。

いつもと同じ道を歩いていてもたくさんのものが発見でき、いつもと同じものを見ても今までと違った感覚で接しています。それだけ目から零れ落ちていたものを身体の反応で拾い上げられています。

見つけたギャラリーに入ってみたり、新しいお店を見つけたりしました。久しぶりにお気に入りになりそうな買い物もできました。いろいろなものが目に入りますし、それに直感的に反応できるのです。

この感覚があるうちに映画を観たり、芝居を見たり、いつもと同じものを違う感覚で見直してみたり、とにかくたくさんの人に会ったり、できるだけたくさんの物に触れたいと思っています。こういうときは自分もそういう人たちにいい刺激が与えられる自信があるのです。そして、そういう人たちから一番学んで吸収できる自信もあるのです。

この感覚のときは本当に何もかもが新鮮で、何をやっていても楽しいですし、何をやってもうまくいきます。ですから、この期間にとにかく外へ外へ、できるだけ視野を広げて吸収して増殖していくのです。選択と集中はそのあとです。まるで起業したての頃のような感覚です。
posted by 奥田圭太 at 15:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社の出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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