2007年03月03日

「パフューム〜ある人殺しの物語〜」

映像という点において実に映画映画した作品でした。

好き嫌いがはっきりと分かれる作品です。0点か100点のような、まさに好みで分かれてしまいます。極論を言うならば「なんでやねん!」と突っ込んでしまった瞬間、理解を超えます、0点です。しかし、そこを捨てて、ただただ迫りくる映像に身を任せれば映像の可能性を肌で感じることができます。

主題としては主人公の孤独だけです。とてつもなく汚らしい映像(テーマである香りでいうなれば最悪の悪臭)から始まってどんどん美しくなり、最後は官能の映像(テーマである香りでいうなれば天使の香り)へと昇り詰めていきますが、そこにあったものは主人公の無臭という孤独です。それが映像作家とも言うべき監督によって「映像」によって過剰なまでに炙り出されます。

テーマを捨ててでも楽しむべきはその映像です。
ここが好き嫌いなのかもしれませんが、映像は過剰です。一方でそれは「撮りたかったんだ!」という強い作家精神を感じます。監督の強い思いが「におい」をテーマにしながらただただ「映像」に現れます。

後半にかけてのサスペンスとしては一級品です。迫り来るドキドキ感があります。最後に辿り着くときはただの孤独と映像です。その辿り着く先を「なんでやねん!」と言ってしまえばそれまでです。ただ底に力強く横たわる映像は紛れもなく映画でしかできないものでした。

■作品概要
題名/「パフューム〜ある人殺しの物語〜」
2006/ドイツ/ギャガ・コミュニケーションズ
監督/トム・ティクヴァ
出演/ベン・ウィショー  ダスティン・ホフマン アラン・リックマン
会場/MOVIX京都
舞台は18世紀のパリ。悪臭立ちこめる魚市場で一人の子供が産み捨てられる。名をジャン=バティスト・グルヌイユ。グルヌイユは生まれながらに体臭がなく、神が彼に唯一与えたのは、あらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚だった。やがて彼は、天才香水調合師となり、世間を驚かせる芳香を生み出していく。時を同じくして、パリを震撼させる連続殺人事件が発生。被害者はすべて若く美しい娘で、髪を刈り落とされた全裸死体で発見されるのだった…。犯罪史上最も純粋な動機が彼を狂気へと駆り立て、そして物語は、かつて誰も目にしたことのない驚愕の結末へと向かっていく…。



posted by 奥田圭太 at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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