なんといってもテンポがいいです。これはオーソドックスで清清しく感じさせる脚本と小気味いいカメラワークからくるものです。本当にとんとん拍子にストーリーは進んでいきますし、突拍子もないようなその内容もすんなり納得できて進んでいくのであっという間です。それでいてひとつひとつが楽しい。実話をアレンジしたものなのですが、田舎臭さも人臭さも温かさに包まれています。
また、そんな中に映画的醍醐味がしっかりと含まれています。
ラスト近くのミラノでのショウシーンは圧巻です。インパクトといい、美しさといい、迫力といい、音楽といい、映画的魅力が詰まっています。
とても単純な話なのに、英国映画の特徴である脇役の生き生きとした表情も相まって、観終わったあとに爽快感が残ります。久しぶりにすっきり気持ちのいい映画でした。
■作品概要
題名/「キンキーブーツ(原題:Kinky Boots)」
2005/イギリス/107分/ブエナ ビスタ インターナショナル
監督/ジュリアン・ジャロルド
出演/ジョエル・エドガートン キウェテル・イジョフォー
サラ=ジェーン・ボッツ ユアン・フーパー
会場/みなみ会館
「どうしたらいい?」が口癖の、優柔不断なチャーリー。そんな彼が、倒産寸前の片田舎の靴工場を継ぐハメに。突然現れた救いの女神は、ドラッグクイーンのローラ(♂)。ロンドンのSOHOに“美”のカリスマとして君臨する彼(女)は、クラブ・エンジェルの人気スター。歌も上手いが、腕っ節も滅法強い! だが、彼女の悩みは、ドレスを脱ぐと自信のない男に変身してしまうことだった。町中のヒンシュクを買いながら、二人が作り始めたのはドラッグクイーン御用達のキンキーブーツ。直訳すれば“変態ブーツ”!?
日本では女王様ブーツとして知られるエナメルにスーパーヒールのSEXYブーツ作りで一発逆転の再起を狙う、実話に基づいたハートフル・ストーリー。保守的な田舎町を襲った強烈なカルチャーギャップが、笑いと涙と感動を呼ぶ。とんがったユーモアはピンヒールよりも鋭い!
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